Association of Japanese Residents in Lao P.D.R.



2008年3月号目次

・2007年度日本人会副会長

・鳥インフルエンザ

・バザー収益金 寄贈式
・日本人会大運動会

・教務チームの取り組み

ラオス人に学ぶ酒を断るすべ
アカ族のラオラオ
七変化の町ルアンパバーン
カブトムシおにぎり
サニャブリのルー族
ラオ薬草酒のコレクション物語
森の温泉
忘れられたビエンチャンの港
ビエンチャンにもっとも近い温泉
モン正月
ナムグム湖
バンビエンの洞窟
ナムフーム、タートソン...
家畜市場価格
家の近所のラーメン屋
サワンナケート
カムアンのコンロー洞窟
私の思いでの道 15号線
ガイドブックにないラオス南部
ワットプー祭り
ラオス人と毎日の天気
ラオスの道路事情

・一年間を振り返って

コ  ラ  ム

森の温泉


 立ち込める湯気、硫黄のような臭い。車を降りた私は、胸の高鳴りを感じた。温泉だ!

そこは、フアパン県・ビエントン郡にある、小さな温泉だった。温泉といっても、日本の温泉とはちょっと違う。森の中を流れる小川の川底から、80℃くらいの熱湯が湧き出している。ここが源泉だ。そこから少し川を下ると、川がせき止められているところがあり、その堰からパイプが何本か突き出している。そのパイプから、川の水でやや冷やされたお湯が、小さな滝のように流れ出しており、地元の人々はそのお湯を気持ち良さそうに浴びていた。日本で言えば、打たせ湯のようなものだろうか。

 下着一枚になった二人の専門家と私は、地元の人たちに「サバイディー」と挨拶をしながら、パイプのあるところまで足を運び、流れ出すお湯を浴びた。湯量は豊富で、温度もちょうど良い。「ここに湯船があったら最高なのになぁ」と名村専門家。 そこには集金所も脱衣所もロッカーもなく、男女の仕切りもない。夕方になると、地元の人々がどこからか集まってきて、挨拶を交わし、世間話をし、時折笑顔を見せながら、お湯を浴びて帰っていく。素顔のままのラオスを見たようで、身体だけでなく、心も温かくなった。
JICAラオス事務所
新  井