ラオスは少しずつ着実に変化しています。この一年を振り返ってみても、ビエンチャンの街中の道路が綺麗に整備されて通行が容易になりました。自動車やミニバイクは日に日に数を増しているように見えるし(その分交通事故も増えているようです)、ミニマートと呼ばれる近代的な商店があちこちに見受けられます。国際便・国内便共に飛行機の本数がどんどんと増加してビエンチャンやルアンパバンといった街では西洋人の旅行者を見かけることが珍しくありません。このままの勢いで成長していけば、そう遠くない未来に後発開発途上国と呼ばれる国から脱却できそうです。日本では昭和に対する懐古ブームだそうですが、今のラオスは日本でいうところの昭和三十年代に相当するのでしょうか。
ラオスを知る多くの人が異口同音に言うことですが、この国には日本人が忘れてしまった何かが残っています。それはのんびりとした時間の流れなのかも知れないし、家族や仲間を大切にする温かな心なのかも知れません。内陸国で山地が多く、多民族国家のこの国にはいろんな文化が混在しています。自然との共生や多文化の調和など、21世紀に世界が直面している問題に対してこの国は静かな回答を既に示しているようにも思えます。折角この穏やかな国にいるのですから、この国の良いところを少しでも学んで帰りたいものです。ピーマイに先立ってそんな誓いを立てました。
2007年度 ラオス国日本人会副会長
宮 島
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