Association of Japanese Residents in Lao P.D.R.



2008年3月号目次

・2007年度日本人会副会長

・鳥インフルエンザ

・バザー収益金 寄贈式
・日本人会大運動会

・教務チームの取り組み

・ラオス人に学ぶ酒を断るすべ
・アカ族のラオラオ
・七変化の町ルアンパバーン
・カブトムシおにぎり
・サニャブリのルー族
・ラオ薬草酒のコレクション物語
・森の温泉
・忘れられたビエンチャンの港
・ビエンチャンにもっとも近い温泉
・モン正月
・ナムグム湖
・バンビエンの洞窟
・ナムフーム、タートソン...
・家畜市場価格
・家の近所のラーメン屋
・サワンナケート
・カムアンのコンロー洞窟
・私の思いでの道 15号線
・ガイドブックにないラオス南部
・ワットプー祭り
・ラオス人と毎日の天気
・ラオスの道路事情

・一年間を振り返って

巻  頭  言

 今年も年度の変わり目の時期となりました。日本では沈丁花の香りが街に漂い、桜の花が一斉に咲き誇る頃です。学校では卒業式と入学式が行われ、期待と希望に満ち溢れた時期でもあります。このタイミングでラオスを去る人もラオスにやってきた人も多いことと思います。

 昨年四月より日本人会の理事を務めてきたメンバーが一部を除いて交代となります。この一年間、多くの行事を通してたくさんの人たちと接することができました。専任のスタッフがいないため、仕事の合間を見計らいながらの日本人会業務でしたが、会員の方々の親睦と交流が深まることに少しでもお役に立てたのであればこれに勝る喜びはありません。至らない点も多々あったかと思いますが、一年の任務を全うできたことは会員の皆さんのご協力のお蔭です。全理事を代表して御礼申し上げます。

 ラオスではこれからが一番暑い季節となります。暑さにやられてぐったりしている方も多いかも知れません。その一方で早くも正月気分で仕事が手に付かないラオ人も多いことでしょう。気温の低い時期には少なめだった果物の種類が増えたような気がします。私の大好きなマンゴスティンが店先に並び始めました。マンゴスティンに限らず、ラオスには美味しい果物、美味しい料理が豊富です。今号の特集ではラオスのあちこちの町を紹介しています。ラオスは南北に長く案外と広い国です。山間の町や川沿いの町、それぞれ各地方によりいろいろな特色を持っています。

 美味しいお店、綺麗な景色、興味深い習慣など、ラオス在住者の視点で選んだ貴重な情報が満載となっています。なお今回の企画は各地で活動しているJICAボランティアやNGO関係者を始めとした多くの方々の協力により実現しました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。個人的にはナムワーンというラオスのデザートが美味しいお店を探しています。ご存知の方は是非ご一報下さい。

 ラオスは少しずつ着実に変化しています。この一年を振り返ってみても、ビエンチャンの街中の道路が綺麗に整備されて通行が容易になりました。自動車やミニバイクは日に日に数を増しているように見えるし(その分交通事故も増えているようです)、ミニマートと呼ばれる近代的な商店があちこちに見受けられます。国際便・国内便共に飛行機の本数がどんどんと増加してビエンチャンやルアンパバンといった街では西洋人の旅行者を見かけることが珍しくありません。このままの勢いで成長していけば、そう遠くない未来に後発開発途上国と呼ばれる国から脱却できそうです。日本では昭和に対する懐古ブームだそうですが、今のラオスは日本でいうところの昭和三十年代に相当するのでしょうか。

 ラオスを知る多くの人が異口同音に言うことですが、この国には日本人が忘れてしまった何かが残っています。それはのんびりとした時間の流れなのかも知れないし、家族や仲間を大切にする温かな心なのかも知れません。内陸国で山地が多く、多民族国家のこの国にはいろんな文化が混在しています。自然との共生や多文化の調和など、21世紀に世界が直面している問題に対してこの国は静かな回答を既に示しているようにも思えます。折角この穏やかな国にいるのですから、この国の良いところを少しでも学んで帰りたいものです。ピーマイに先立ってそんな誓いを立てました。

2007年度 ラオス国日本人会副会長
宮  島