ウァピ郡で用を済ませ昼食を摂った後、そのままその15号線を西進。行きに道沿いの川の氾濫を恐れて避けたあの道である。地元の人たちの情報によると問題なく行けるとのこと。でも走り出すと、午前中来た道とは同じ道の延長とは思えないちょっと荒れた様子。所々大きな水溜りがあって、行き交う車やオートバイは皆スピードを落とし右往左往
しながら避けて通らなければならない箇所がずいぶん増えてきた。そのうちふと気づいて路肩を見てみると、1メートルぐらいの幅で水が流れているのに気づいた。「ひょっとしてこれって出発前にうちの運転手が話していた川じゃないの?」川と言っても、小川とも呼べないような、ほぼ間違いなく乾季には消える雨季限定の水の流れである。「これかぁ、川で道が通れなくなるかもって言っていたやつは!」これぞまさに開発途上国によくある百聞は一見に如かず。出発前に地図を目の前にして運転手から説明を受けたときには、どう見てもこの15号線のそばに描かれている川は道からいくらか離れているので、「本当にこの川が雨季にはそんなに膨れて道に溢れ出して来ちゃうの?」ってちょっと首をかしげていたのだが、やはりあの川ではなく、地図にも表れない雨季限定の“川”であったのだ。「う~ん、これが地図ではわからない国道15号線の謎かぁ?」と、ひとり感心して車の外の景色を眺めていた。そのころ同乗していたラオス人スタッフたちは、歌を歌ったり時々笑い声の広がる冗談話で盛り上がっていたり、よくある普通のラオスの道を通って行くのと同じような様子で楽しそうに私と同じ時をすごしていた。
(角 田)
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