観客は畦道で遠巻きに見ているが、牛が逃げ出して畦道を越えてものすごい勢いで走ってくることもあるし、いつの間にか闘いが隣の田んぼに場所を移して続いていることもあるので、おちおちしていられない。10時半過ぎには終わったが、午後には近くの別の場所で自由に闘牛をしていた。この試合は十分以上も闘い続け、一番良い試合だった。間近で見ることができたため臨場感に溢れていた。
この後15日にはLAK52で行われた。こちらは52頭・26試合。10時には終わった。ウェンカムは16日で6試合のみだった。
モン正月(芸術)
闘牛より更に難しいのが芸術の公演がいつあるかを知ることだ。絵葉書にLAK52で子どもがケーンを吹いているものがあったり、テレビでも放映していたりするが、時期がはっきりしない。どうやら中心となって儀式を行う村が毎年持ち回りであるらしく、2007年はウェンカムだった。
タゴンからナムグム川を渡らずにずっと行ったところだが、かなりの田舎だ。ビエンチャンからそう離れていないのに全然違う。赤土埃は木々にも舞い上がり、葉は総て赤茶色に染まって枯葉のようだ。初めはこの日に闘牛があるつもりで行ったのだがやっておらず、こま回しを見た。林のほうでは列になって鞠投げをしている。心なしか前年よりも衣装が派手になっているように感じる。芸能公演は10時頃から始まると聞いたが、本部で何人かがモン族の歌を歌っているのみ。午後にはあるとのことなのでひたすら待った。漸く2時頃から人が集まり始める。初めのうちは大したことなかったが、3時頃には踊り、3時半頃にはモン族のケーンの奏者も登場し、回転したり、前転・後転したりしながら演奏した。その後も歌・踊りと交互に続き、ソー(胡弓)や葉笛、口琴、そして別の奏者のケーンもあり、とても充実した内容だった。
16日にも公園があるとのことだったが、時間が曖昧で、私が行った昼過ぎは芸能公演とその後のバーシー、昼食も終わりかけた頃だった。タゴン手前3kmにはノーン・スワムという湖のほとりにレストランがある。ここ一年で食べる場所も増えたらしいが、行ったときは満席でびっくりした。
(城 戸)
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