Association of Japanese Residents in Lao P.D.R.



2008年3月号目次

・2007年度日本人会副会長

・鳥インフルエンザ

・バザー収益金 寄贈式
・日本人会大運動会

・教務チームの取り組み

ラオス人に学ぶ酒を断るすべ
アカ族のラオラオ
七変化の町ルアンパバーン
カブトムシおにぎり
サニャブリのルー族
ラオ薬草酒のコレクション物語
森の温泉
忘れられたビエンチャンの港
ビエンチャンにもっとも近い温泉
モン正月
ナムグム湖
バンビエンの洞窟
ナムフーム、タートソン...
家畜市場価格
家の近所のラーメン屋
サワンナケート
カムアンのコンロー洞窟
私の思いでの道 15号線
ガイドブックにないラオス南部
ワットプー祭り
ラオス人と毎日の天気
ラオスの道路事情

・一年間を振り返って

コ  ラ  ム

モン正月(儀式)


 ビエンチャン近郊のモン族の正月はモン族の暦に沿っている。

 2007年12月9日、お正月の初めの日にLAK52のモン族の友達のところへ行った。夕方に着き、すぐに近くの学校の校庭へ。何をするのか解らず、サッカーを観戦していたが、そのうちに突然何人もの人がおもちゃのピストルをぱんぱん鳴らしながらバレーボールコートのポールの周りを回り始めた。ポールのところには一人鶏の足を持って上に下にとぐるぐる回している人がいる。みんなが回り終わった後、鶏を放り投げて様子を伺うことを何度か繰り返していた。

 家に戻ってからは先ず米ドル札をコピーした紙を家の中や外のあちこちに貼り付けた。そして鶏を料理する度に屠殺の儀式を何度も行った。皿にもち米を敷き詰めた上に卵を幾つも置き、線香を何本も立てて、蝋燭を一本置いた。これを横に置きながらフープリーの儀式を行った。足を縛った鶏を持ち、何かを唱えながら鈴の付いた輪を投げたり、水牛の角のセットをあちこちに当ててとんとんと叩いた後投げたりして占いをする。この後にやっと鶏を捌くのである。家の中では子どもたちが金色の紙を船の形に折り、それを家の中で燃やした。土間の壁にはこの紙に鶏の血をつけたものや調理した鶏がかけてあった。夕食は鶏尽くしだった。

モン正月(闘牛)


 ラオスで何といっても難しいのは祭りの確かな情報を得ることだ。事前に日程が決められていたとしてもいつの間にか変更されるのは当たり前のことのようだ。モン族正月の闘牛についても直前になって日が分かった。ビエンチャン近郊では三箇所で行われた。

 先ず13号線南方面へ行った道を左側へ入り、赤土埃のひどい道をかなり行ったところにあるターディンデン村近くのポーンガム村で12月12日に行われた。この日は朝霧がかかり、その中に突然闘牛の牛が浮かび上がってとても幻想的だった。闘牛の会場は乾季のため使われていない田んぼの上だ。あちこちで牛がウォーッと吠えている。7時半頃には試合が始まる。全部で66頭・33組。闘わずして終わる試合も多い。

 観客は畦道で遠巻きに見ているが、牛が逃げ出して畦道を越えてものすごい勢いで走ってくることもあるし、いつの間にか闘いが隣の田んぼに場所を移して続いていることもあるので、おちおちしていられない。10時半過ぎには終わったが、午後には近くの別の場所で自由に闘牛をしていた。この試合は十分以上も闘い続け、一番良い試合だった。間近で見ることができたため臨場感に溢れていた。

 この後15日にはLAK52で行われた。こちらは52頭・26試合。10時には終わった。ウェンカムは16日で6試合のみだった。

モン正月(芸術)


 闘牛より更に難しいのが芸術の公演がいつあるかを知ることだ。絵葉書にLAK52で子どもがケーンを吹いているものがあったり、テレビでも放映していたりするが、時期がはっきりしない。どうやら中心となって儀式を行う村が毎年持ち回りであるらしく、2007年はウェンカムだった。

 タゴンからナムグム川を渡らずにずっと行ったところだが、かなりの田舎だ。ビエンチャンからそう離れていないのに全然違う。赤土埃は木々にも舞い上がり、葉は総て赤茶色に染まって枯葉のようだ。初めはこの日に闘牛があるつもりで行ったのだがやっておらず、こま回しを見た。林のほうでは列になって鞠投げをしている。心なしか前年よりも衣装が派手になっているように感じる。芸能公演は10時頃から始まると聞いたが、本部で何人かがモン族の歌を歌っているのみ。午後にはあるとのことなのでひたすら待った。漸く2時頃から人が集まり始める。初めのうちは大したことなかったが、3時頃には踊り、3時半頃にはモン族のケーンの奏者も登場し、回転したり、前転・後転したりしながら演奏した。その後も歌・踊りと交互に続き、ソー(胡弓)や葉笛、口琴、そして別の奏者のケーンもあり、とても充実した内容だった。

 16日にも公園があるとのことだったが、時間が曖昧で、私が行った昼過ぎは芸能公演とその後のバーシー、昼食も終わりかけた頃だった。タゴン手前3kmにはノーン・スワムという湖のほとりにレストランがある。ここ一年で食べる場所も増えたらしいが、行ったときは満席でびっくりした。
(城 戸)