Association of Japanese Residents in Lao P.D.R.



2007年6月号目次

・2007年度会長

・2007年度新役員の紹介

・日本人会定期総会

・新入生紹介

ラオス・ラグビー・ほんまかいな
セレブに大人気のテニス
庶民の娯楽サーカス
ビエンチャン上水整備計画

・ラオスで「日本語能力試験」

コ  ラ  ム

ラオス・ラグビー・ほんまかいな


「え?ラオスでラグビーやってんの? ほんまかいな。」
『えぇ、はい。ほんまです。』
「ほいで、ラオスにラグビーのチームって、あんのかいな?
ちょっと、詳しく教えてよ。」

 ラオス赴任の直前、ホーチミンでラグビーをしている知り合いから、「ビエンチャンでもラグビーチームあるよ」と教えられ、ラグビー道具一式こっそり持参で赴任したは良いものの、いや、さてどこでラグビーなどやっているんでしょうか。サッカー、ペタング、セパタクローなんかはそこら辺でやっているのは見かけますが、楕円球が右へ左へ飛び跳ねたり、人と人がぶつかって遊んだりしている光景は全然見かけません。それもそのはず、ビエンチャンにラグビーチームはラオス人チームと外国人チームの2つだけ、2つと言っても一緒に練習しているので、実質1チームなんですから。ビエンチャンが狭いといってもこの1チームを探し出すのは至難の業です。どこかで、ラグビーボールを見かけたら、その日はラッキーな一日かも知れません。

 えぇ、それで、外国人チームだけじゃなくって、ラオス人チームもあるんです。僕もこれにはほんまビックリ。体格・性格を考えるとラオス人のラグビーなんて想像できないですから。ほんま、想像通り向いてないです。たま~に体格がいいのはいますが、ほとんどひょろっこ兄ちゃん達ですから、外国人と試合したら大人VS子供みたいな試合になってしまいます。

 性格もおとなしいのはまだ良いですが、「お~い、おまえら、まだ10代やろ~」なんて叫びたくなること数知れず。そうなんです、ラオス人チームはほとんどが学生、歳は10代後半から20代前半のお肌ツルツル・元気モリモリ・ご飯は大盛りの3拍子揃った若人ばかり。でも・・・ちょっと走ったら交代して欲しそうにするわ、足を痛そうに引きずってみるわ、しんどいこと・辛いことはほんまに嫌いみたいです。でもよく考えたら、ラオスに体育会系なんて、まだまだないですもんね(たぶん)。根性練(意図もなく単にきつ~い練習)なんてしたことないでしょうね。

 かたや外国人チーム(バッファローズ)のメンバーはみんな仕事で来てますから、30代~40代のオジサン連中がほとんど。体はでかいが体力ないですから、調子がいいのは最初だけ、最後は走り負けてしまいます。それから、お互いの文句の多いこと!オーストラリア人、フランス人、イギリス人がメインですが、オーストラリア人には頭が悪いんちゃうかって文句、フランス人にはいい加減やって文句、イギリス人には堅物やって文句、なんとなくわかりますよね~。日本人には・・・・まだまだ対抗意識もないみたいで文句も言いません。

 と、こんなチームですが、僕がラオスに来てからの1年間で、ラオスのラグビーは格段に進歩しています。それは僕のおかげ・・・ではなく、オーストラリア人のコーチを筆頭にレベルアップに力を入れているからでしょう。そうなんです、オーストラリアはコーチをボランティアで派遣しているんですね。日本の柔道や合気道などの協力隊員やシニアボランティアの派遣に似ています。

 レベルアップの理由はもう一つ、国際試合です。ラオスは2006年7月にナショナルチームを結成して、初めて国際大会(アジア地域大会)に出場しました。ブルネイ、インドネシア、カンボジアと戦い、3戦全敗・・・でも、毎年開催されるこの国際大会という目標ができて、ラオス人たちも俄然やる気です
なんてったって、ラオス代表選手はタダで海外に行けますから。最近は人数も増えてきていますが、全部あわせたら50人ぐらいですから、代表入りのチャンス大です。

 それから、公式試合じゃないですが、国際試合をバッファローズ&ラオス人チームですることも増えています。国内じゃ見知った仲間だけで紅白戦やっているようなもんですから、刺激を求めて海外遠征です。海外っていってもタイなんですが、最近はコンケン大学、マハサラカム大学、ロイエト大学との交流戦が始まり、 なんと、バンコクの日本人チーム“バンコクジャパニーズ(BJ)”との交流戦も始まりました。「11月にBJを呼ぼう!」という企画もあるんで、日本人会を挙げて日本人チームではなくラオスチームを応援してもらいたいと思っているところです。

 こんな、始まったばかりのラオスラグビーにも、ラグビー協会なるものがあります。あるんですが、有名無実とまでは言いませんが、協会はほとんど外国人、『先生はみんな外国人』の英会話のNOVAのような状況です。それで、実は僕もNOVAの先生の一味でして、ラグビー協会のお手伝いをしています。なんか、Emailでラグビー協会の話してるな~と思いつつ、英語読むの面倒くさいので適当に流しといたら、Legal Officerって肩書きなんかもらっちゃいました。これにはほんまにびっくり仰天。先の話題のオーストラリア人のコーチの契約書作ったり、海外の試合の保険について調べたりと、少しはお役に立っているつもりでいます。ラオスラグビー協会には壮大な目標もありまして、それは、国際ラグビーユニオン(IRU)への加盟です。ラグビー協会ができたらIRUに加盟ができて、ワールドカップの予選にも出れるのかと思ったら大間違い。加盟にはあれやこれやと資格を問われるんです。中でもラオスにとって厳しい~のが、10チーム以上での国内大会の開催という項目。今、2チームだけですから、これはほんまに大目標です。
 足やら肩やら怪我をして、そろそろやめたら、といわれ続けてますが、実はどうしてもって夢があるんです。ラグビー社会のほんまにいいところなんですが、実は、3年以上滞在するとその国のナショナルチームの代表になることができるんです
 これ、ほんまの話。外国人の人数枠があるので、体格のいい外国人に負けんように頑張らないといけないですけれど。JICAの任期は約3年。早く返されないように、仕事、頑張ります。
松  元