ラオス国には不発弾処理機関として、約1,000人規模のUXOLaoが1996年から活動しているが、大量に残っていると判断される不発弾を処理する機関としては勢力的にも十分ではなく、かつ、これまで技術的・財政的問題などもあって、遅々として進んではいないのが実情である。例えば、JMASが支援しているシェンクワン県では、2008年末までの13年間に処理できた面積は、県全体の僅か0.2%程度に過ぎない。また、ラオス全土には約1000万発以上の不発弾があると推定しているが、これまでの処理ペースで推移すると仮定すれば、少なくとも200年~300年ではなくならないだろう。
このような状況の中でJMASは日本のODA予算を使用してラオスの不発弾処理を支援しているが、いつまでも支援を続けることは困難であり、ラオス人のラオス人によるラオス人のための不発弾処理ができるようJMAS専門家の技術を早期に移譲したいと考えている。なお、JMASが支援を開始した2006年以降、シェンクワン県の犠牲者数が半減したのは特筆すべきこと考えている。
田 川(JMAS)
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