今般ラオスに着任して強く感じたのが、最近の情報通信の発達によって日本の家族・知人と簡単かつ安価に交信できるだけでなく多種多様のニュース・情報に接することができるので、日本人社会との接触を多く持たなくても孤独感を味わうことなく過ごすことができることでした。そういう環境の中で、私が日本人会に所属していたのは、日本人としてのアイデンティティ並びに心の拠り所として帰属意識を持ちたかったからでありました。日本人会の理事を経験した方から「イベントを実行に移す際に人集めに苦労する」と耳にしてきましたが、同じように思われている会員が多いのではないかと感じてきました。
このように会員の生活環境や日本人会の位置付けが変化してきている中で、会員の方々に満足して頂ける運営は如何にすれば叶えることができるだろうか、これまでの理事の方々が苦労されてきたテーマであろうと思います。とりわけ、3大イベントの一つである「運動会」については、日本人の参加が少なくなってきているため、人数を確保するためにラオスの子供を募って運営せざるをえなかったようですが、参加した会員から「日本人の親睦イベントであって欲しかった」との声を聞いてきました。運動会を存続させるか否か、また代替するに相応しいイベントは何かについて、理事会で検討を重ねていきたいと考えております。
ラオスの日本人構成で特徴的なことは、ボランティア、協力隊及び専門家の割合が高いということだと思います。一方で、そのような方々がどのような活動をされているかについて、JICA関係者を除き把握されている方は少ないと思います。そこで、この会報誌面で具体的な活動について紹介していくことで、理解していくことが出来るのではないかと考えています。
今年度の理事は、重任が一人もなく一新されました。慣れない面もありますが、これまでに築かれてきた日本人会の伝統を踏まえつつ、運営していく所存でありますので、ご支援を頂戴致したく宜しくお願い申し上げます。
2010年度 ラオス国日本人会会長
竹 村
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