Association of Japanese Residents in Lao P.D.R.



2009年1月号目次

・在ラオス日本国大使

・役員交代のお知らせ

・日本人会チャリティバザー
・日本人会クリスマス会

日本アニメ映画祭&文化祭り
ウドンムサイの新築の儀
北朝鮮レストランレポート
ラオス柔道
日本人会テニ大会
日本人会ゴルフ愛好会

コ  ラ  ム

ウドンムサイの新築の儀


 ウドムサイと言えば山、山、山。冬は日本並に寒く、中国国境に近いので中国人が多いのと様々な少数民族が住んでいるのが特徴でしょうか。

 でも、今回は我が家で行った新築祝いの出来事についてお話しようと思います。 私が入居した家は、大家さんと、扉1枚を隔てた新築一戸建て。4月には、大家さんが、ピーマイラーオ(ラオス正月)前に新築祝い(バーシー)を行いました。

 前日から、料理やら、儀式の仕度をして当日は、朝4時に起きて、準備をします。ちなみに何故か私は、鼻血が出て目が覚めました。 そんなことは、どうでもいいのですが、6時から、新築祝いが始まる予定が、結局、6時半頃からのスタート。やはりそこは、ラオスです。

 僧侶2人と若僧3人が、我が家に来て、家の中で托鉢をします。 托鉢といえば、外で行うものだと思っていたので家の中で托鉢を行うのは、ビックリ。ちなみに托鉢は、ラオス語でタクバーツと言います。

 一人一人、タクバーツを行った後は、僧侶へ、お膳をお出しします。親族皆は、僧侶と会話し、食事が済むのを見守ります。食事後は、僧侶がお経を読み、ライスシャワー(お米を、撒きあう)をして各自、コップに準備した水を、皿に注ぎ、ロウソクを2本燈します。いわゆる、聖水のような儀式のようです。日本の、榊のような葉を使い、聖水につけて、部屋中に水を撒きお払いを行います。
(人の形をした御札↑)
そして、僧侶から、お払い?のような魔除けの物を受け取り、寝室に置くようにいわれ、寝室に置く。これ、よくみると、人の形になっています。

 これが終了すると、僧侶を見送り、また新たな儀式が始まります。 親族一同、及び立会い人は、新築祝いの品物や、新品の生活用品を持って外に出ます。しかし家の中には、別の立会い人がいます。外にいる立会い人は、2次元の人物の様子。家の中にいる立会い人は、どうも3次元の人物の役割をしているようです。

 何を話しているかは、あまり理解出来ませんでしたが、立会人同士の問答が始まりました。
「家に入るなら、それなりの覚悟はあるのか?」なんたら、かんたら~。
「それならば○○をさしあげましょう」
「そんなんでは足りん」
などなどの問答後に家の中にいる立会人から、「家に入ってよいぞ!」という返事があると皆が一斉に家に入ります。

いざ!家に入るぞ!
(こちら、家の中から撮影↑)
 
 すると次は、皆揃って、私の寝室に行くではありませんか!!
なにをするかというと、寝室に釘を打つ儀式になりました。大家の、お父ちゃんが壁に釘を打ち、その釘には、お供えの葉っぱ&ご祝儀の入ったカバンを、掛けます。いわゆる、魔除けをして、お金に恵まれるように、という願いなのでしょうか?
 しかし・・・・・隊員生活。住居安全確認、防犯対策は厳しいです。それなのに、次から次へと、寝室にわんさか人が入ってきます。
 あの・・・・・ここ・・・・私の寝室・・・・・。
 ここまでプライバシーを曝け出していいのでしょうか?そう思いながらも、もうここまで来たら笑うしかない!もう、好きにしてと開きなおりです。

 すると次は、家の隅々にロウソクを燈していきいつもどおりのバーシーです。皆、健康で仲良く暮らせますようにと願いを込めてのバーシー。そして、いつもの酒盛りに、ダンスと夕方まで続いて無事に新築祝いの儀を終えたのでした。

 そんな儀式をしたのにもかかわらず今年9月のウドムサイ大洪水では。我が家は大浸水しました。 また、来年の4月には、災害魔除けとしてバーシーを行うのでしょうか?もしするとしたら、次はどんなバーシーを経験できるのか楽しみです。
入  江(青年海外協力隊)