Association of Japanese Residents in Lao P.D.R.



2009年11月号目次

・LJセンター所長

・チャリティバザー
・盆踊り

・遺跡の町 ビエンチャン
・僕のラグビー人生
・ラオスの素材を使ったレシピ
・ミタパープ会
・日本人会ゴルフ愛好会

巻  頭  言

 ラオス日本人材開発センター(LJC)に勤務して、2年半が経ちました。LJCは、日頃、ラオス日本人会、ラオス日本企業の皆様より、大変、暖かいご支援を頂いており、この紙面をお借りして、改めて、御礼申し上げます。

 LJCは、2001年開設以来、プロジェクトの目標である「ラオスの市場経済化に資する人材開発」及び「両国の相互理解の促進」を達成するため,ビジネスコース、日本語コース、コンピューターコース、そして各種の交流事業等を行っております。昨年9月からは、隣のラオス国立大学経済経営学部と共同で、社会人を対象とした経営学修士(MBA)コースも開始され、第1期生として35名が、本年9月から2期生の40名も入学いたしました。ラオスの市場経済化とASEANの経済統合が加速化し、ラオスへの日本企業の進出も順調に推移する中、これら企業の皆様にも、ビジネスや日本語に優れた人材を提供したり、両国の相互理解の一層の促進のため、LJCの活動を通じた側面的支援が、強く求められていると認識しております。

 最近、スタデイーツアー等で、ラオスを訪れる日本からの学生の皆さんが、ラオスの印象を「癒される国」或いは「日本人が失った何か大切で良いものが残る国」と表現しております。私も、近頃は学生の皆さんから、「ラオスの魅力とは何か」と問われたとき、次のように答えております。

 「ラオスには、美しい森、山、川、そして空、美しい自然が残されているが、それ以上に魅力的なものは、物乞いや押し売り等を好まず、慎ましく生きている人々ではないか。貧しいからこそ、そこに生きる人々が、家族や、村、共同体として、助け合っている、助け合うことなしでは生きていけない。現在の日本や欧米のように、他人に余り頼らず、自分で生きることが当たり前で、むしろ、それが良いことと考えている人から見れば、ラオスのように、経済的には貧しいが、助け合って、明るく、生き生きと、心豊かに、生活している現実を目にして、これが、本来の人間の姿として、より望ましいのではないかと、改めて感じる人が多いからではないか」と。

 日本は戦後、素晴らしい経済発展を遂げ、世界一の長寿国、成熟した社会を築き上げました。しかし、その一方で、核家族化やIT化により、以前比べ、家族、地域社会、職場の人間関係が希薄化し、個人の精神不安定、家庭での躾等は教育上の問題にもなりつつあります。このような今の日本から見れば、ラオスは、確かに、「癒される国」、そして「日本人が失った何か大切で良いものが学べる国」であると,感じさせられます。

 まもなく、開幕されるラオスでのSEA-GAME大会、そして、来年予定されているビエンチャン遷都450年記念祭を前に、ラオスは、人々も街も、希望に溢れ、慎ましく、美しく、益々魅力的な国に発展しつつあると思います。
ラオス日本人材開発センター所長
佐  藤